【にゃるほどクノネコ社長】第63回「休業手当と休業補償」

このコラムについて

日々の経営の中で出てくる人事・労務問題をクノネコ社長目線で描く4コマ漫画。漫画から労働法のあるあるが学べます。もしかしたらあなたの会社にもクノネコ社長がいるかもしれない。

 

年度更新の季節が近づいてまいりました。

令和3年は昨年から続いているコロナウイルスの影響や法律改正による注意点があるため、早めに集計をしないとと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回の年度更新で一番注意が必要なのが「休業手当」と「休業補償」の取り扱いです。

年度更新では労働者に支払った賃金総額に事業により定められた保険料率を乗じて計算を行いますが、ここで注意が必要なのが、「賃金」にはどいうものがふくまれてどういうものが含まれないのか、ということです。

 ▼労働保険対象賃金の範囲(厚生労働省ホームページより)

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/2019/dl/keizoku-05.pdf

この内容をみると、賃金とするものに「休業手当」が入っていて、賃金としないものの中に「休業補償費」が含まれています。

では、この休業手当と休業補償、名前が似ていますがそれぞれどのようなものなのかを見ていきましょう。

◆休業手当・・・事業主の責に帰すべき事由により支払う手当

例)家族にコロナの濃厚接触者が出たので、念のため症状が出ていない社員を会社の指示で自宅待機させたときに支払ったもの

◆休業補償・・・業務上の負傷等により休業した場合に支給されるもの

例)会社でクラスターが発生し、自分も会社に出社したためにコロナにり患した。労災の休業補償給付が支払われるまでの会社が支払う「休業補償」3日分。

 

つまり、一般的に会社都合で休業をさせたようなケースは「休業手当」に当てはまるので年度更新のときには、休業手当の金額も含めて賃金として計算をすることになるのです。

コロナで労災認定を受けたようなケースはあまり多くないと思います。

ほとんどが減産休業をしたときに支払った「休業手当」や先ほど例で挙げたような万が一のための自宅待機としての「休業手当」だと思うので、この分も含めて労働保険料の計算をすることになります。

 

また、令和2年から変わっている部分ではありますが、高年齢者に対する雇用保険料の免除措置が終了しています。

そのため、64歳以上の雇用保険の対象者は保険料の申告・納付が必要になってくるので注意が必要です。
※ずっと給与計算で雇用保険料を引いていなかったので、雇用保険の被保険者であることを忘れて、徴収をし忘れているケースが見受けられます。

こういう部分は注意が必要なところですね。

 

また、労働保険料の納付に関しては口座振替がとても便利です。

口座振替にしないと、納付書を書いてそれを金融機関等で納付する必要があります。
また、口座振替にすると納期限が通常の場合よりも遅く設定されているので、
お手続していないという方は変更することをお勧めします。

※今からですと今期は間に合わないので、来期からの振替になる場合がありますので、詳細は労働基準監督署にお問い合わせください。