【世界のミンワから】第27回「三つのお願い」

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

昔、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
ある日、おじいさんが森の中で木を切っていると、ひょっこり小人が現れました。

「おじいさん、お願いですから、この木を切らないでください。この木の中に私たちの大切な宝物があります。」
小人は今にも泣きそうな顔で、手を合わせました。
親切なおじいさんは、それを見ると小人が可哀想になりました。

「いいともこの木を切るのはやめよう。」
「ありがとう。おじいさん。その代わり三つだけ願いをかなえてあげましょう。ほしいと思うものを三つだけあげてください。」

「へえ、三つのお願いね。」
おじいさんが考えているうちに小人の姿が消えました。

おじいさんは夕方家に戻ってきました。
「おばあさん今帰ったよ。ああ、腹が減った。おやおや、パンにスープだけかね。たまにはでっかいソーセージでも食べてみたいもんだ。」

そういってテーブルに着いた途端、目の前にでっかいソーセージが飛び出しました。
「まあ!こんな大きなソーセージどうしたんですか?」
おばあさんがびっくりして尋ねました。

(こりゃきっと、あの小人のせいに違いない)

そこでおじいさんは今日森であったことを、詳しくおばあさんに話してあげました。

すると、おばあさんは怖い顔で言いました。

「へえ、なんて間抜けなおじいさんでしょ。そんならどうしてお金持ちになりたいと言わなかったのです。」

「いやいや、わしはソーセージで十分。こうして無事に暮らしていけるのが何よりの幸せじゃ。」

「なんですって!こんな貧乏暮らしが幸せだなんて、そんなにソーセージが好きなら鼻の先にでもぶら下げておきなさい。」

その途端、ソーセージがおじいさんの鼻にくっついて、ぷらんぷらん。

「おばあさん、早くとってくれ。苦しくて息ができないよ。」

おじいさんはソーセージを両手に掴んで、引っ張りました。
でもソーセージはとれません。
おばあさんも慌てて引っ張りましたが、やっぱりとれません。

「困ったなあ、これじゃ仕事にも行けないよ。」

「ごめんなさい。私が欲張りを言ったばかりに。」
おばあさんはおじいさんの鼻が元通りになりさえすればお金など欲しくもないと思いました。
「どうかおじいさんの鼻からソーセージが取れますように。」
おばあさんは手を合わせて祈りました。

その途端、おじいさんの鼻からポロリとソーセージが落ちました。
「よかった。よかった。」

おじいさんとおばあさんは抱き合って喜びました。
それから二人は仲良く暮らしました。