【世界のミンワから】第25回「青い鳥」

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

村のはずれに貧しい木こりが住んでいました。
今日はクリスマスイブ。
でも兄のチルチルと妹のミチルにはプレゼントもケーキもありません。

二人がため息をついてベッドに入ると、突然魔法使いのおばあさんが部屋に入ってきました。

「この部屋に青い鳥はいないかね?」

「キジバトならいるけど青くないよ。」

「では、探してきておくれ。青い鳥を見つければ幸せになれるんだよ。」

おばあさんはそういうと、ダイヤのついた帽子をチルチルにかぶせました。
チルチルがそのダイヤを回すと、青い鳥を探す旅が始まったのです。

最初に行ったのは思い出の国。
そこにはずっと昔に死んでしまったおじいちゃんとおばあちゃんがいました。

「まぁ…大きくなって」

おじいちゃんとおばあちゃんは二人を抱きしめました。
小さいまま死んでしまった弟や妹たちも駆け寄ってきました。

「私たちのことを思い出してくれればいつでも会えるんだよ。」
そういうおじいちゃんの鳥かごに青い鳥がいたのです。
二人はその鳥をもらってきましたが、思い出の国を出ると、その鳥は黒い鳥に変わってしまいました。

次に行ったのは夜の御殿。
いろんな恐い部屋がありました。
幽霊の部屋。
病気の部屋。
戦争の部屋。
でも最後に夢の部屋の扉を開けると数えきれないほどの青い鳥が飛んでいました。二人は夢中になってたくさん捕まえましたが、部屋を出るとみんな死んでしまいました。

それから森の中へ行きました。
その森には、しゃべる木たちがいました。
木たちはチルチルのお父さんが木をたくさん切ったことを怒って、チルチルを捕まえようとしました。

危ないところで帽子のダイヤを回して逃げることができました。

その次はしあわせの花園です。
そこでは太って着飾った人たちが、しあわせそうにご馳走を食べていました。

でもチルチルが帽子のダイヤを回すと人々は裸になって逃げていきました。
しあわせそうに見えても本当のしあわせではなかったのです。

そのとき、色とりどりの花の間から子供たちがやってきて言いました。

「僕たちは君の家にあるしあわせだよ。」

「えっ、うちにもしあわせがあるの?」

「あるよ。ぼくは健康のしあわせ。」
「私はよい空気のしあわせ。」
「青空のしあわせ。」
「夕日のしあわせ。」
お母さんそっくりな人も言いました。

「私は子供を愛する母のしあわせです。」

チルチルとミチルはお母さんに会いたくなりました。

青い鳥はとうとう見つからずじまい、長い旅で疲れ切った二人は眠ってしまいました。

「朝ですよ。起きて。」

お母さんの声で目を覚ますと、そこは家のベッドでした。
お父さんとお母さんの家にいる温かい我が家です。
ふと、鳥かごを見ると、キジバトの羽の色が青く変わっているではありませんか。

「見て!青い鳥だ。僕の家にいたんだ。」
チルチルは叫びました。
そうです。
しあわせの青い鳥はすぐ近くにいたのでした。