【ミンワ経営のすすめ】第28回「アルテピアッツァ美唄」

このコラムについて

「物語の力を学び、経営に活かす」
創業時の物語、危機的状況を乗り越えた逆境の物語、商品やサービスが誕生したときのはじまりの物語、大切な社員たちとの出会いの物語。それらを学ぶことは業績アップの第一歩です。なぜなら、経営とは物語の集まりなのです。

先日、北海道美唄市にあるアルテピアッツァ美唄というところに行ってきました。ここは、1人の彫刻家・安田侃(かん)さんがつくった野外彫刻美術館です。

安田侃さんといえば、大理石やブロンズを用いた有機的な曲線と、環境を選ばずあらゆる空間と調和し得る作品づくりが特徴です。その作品は国際的にも評価が高いです。

わたしがはじめて安田侃さんの作品に出会ったのは東京ミッドタウンでした。

今日はそんな安田侃(かん)さんがつくったアルテピアッツァ美唄の物語。

美唄市は、かつて北海道有数の炭鉱都市として栄えていました。しかし、1973年に時代の流れの中で閉山します。炭鉱業を失った街は、静まり返ってしまいました。どんどん人も減っていき、子どものいなくなった学校は閉校になりました。

アルテピアッツァ美唄を作ったきっかけは、イタリアで創作活動を続ける美唄出身の彫刻家、安田侃(かん)さんが、日本でアトリエを探していた際、1981年に閉校した旧栄小学校の一部に併設する小さな幼稚園に通う子どもの姿を見て、「この子どもたちが、心をひろげられる広場をつくろう」と思ったのが始まりでした。

そして、1992年に学校跡地を中心に広大な敷地をもつ彫刻公園が開園しました。森の中には多くの作品があり、自然と融合しています。

今は、廃校となった学校は展示空間としてよみがえり、さまざまな展覧会やコンサートなども開かれてます。幼稚園も併設しています。

安田侃さんはアルテピアッツァ美唄について、次のように話をしています。

「アルテピアッツァは幼稚園でもあり、彫刻美術館でもあり、芸術文化交流広場でも、公園でもあります。誰もが素に戻れる空間、喜びも哀しみも全てを内包した、自分自身と向き合える空間を創ろうと欲張ってきました。この移り行く時代の多様さのなかで、次世代に大切なものをつないで行く試みは、人の心や思いによってのみ紡がれます(アルテピアッツァ美唄の公式ホームページから引用)」と。

今回の訪問では、いくつかの作品は雪に埋もれていました。しかし、それでも充分にこの場所が持つエネルギーと意味を感じることができました。

雪が溶けたら、もう一度行ってみます。