日々の経営の中で出てくる人事・労務問題をクノネコ社長目線で描く4コマ漫画。漫画から労働法のあるあるが学べます。もしかしたらあなたの会社にもクノネコ社長がいるかもしれない。
働き方改革により、副業・兼業の促進がされていますが、
副業・兼業にはまだ多くの問題があります。
(1)副業先の労働時間を通算するのかどうか
(2)労災の適用はどちらで受けるのか
(3)労災時の給付金額が通算されない点
(4)労働者の健康管理の問題
がよく指摘されている問題点です。
シロネコさんが言っていたのが、労働時間の通算についてですが、
労働基準法の改正により、36協定(特別条項付き)を締結していたとしても、1か月の時間外残業の上限は単月100時間未満、複数月80時間以下、年間720時間以下に制限がかかっています。
副業・兼業している人の中には、
平日の日中通常勤務をこなした後に、夜アルバイトをしたり、
本業の公休日にアルバイトをするケースも多く見られます。
そのような場合、時間外労働の上限規制である、
単月100時間未満、複数月80時間以下、年間720時間以下の上限を
簡単に超えてしまう可能性があります。
この労働時間の規制を超えた場合、どちらの企業に労働基準法違反の責任があるのでしょうか?
また、副業・兼業先の労働時間の把握をどのようにするのでしょうか?
この部分は検討会でも多く議論されている部分です。
今のところ、以下の様な対策をとるよう検討が進んでいます。
(1)労働者から自己申告制により副業先の労働時間を把握できるようにする
(2)申告された時間を本業の時間と通算して、時間外労働が1月80時間を超えていたら、本業での労働時間短縮措置をとること(または、副業先での労働時間短縮を求めること)
(3)労働時間の把握はせず、副業をしているという申告があった場合は何らかの健康措置をとること
(4)労働時間の把握がしやすいような措置をとること
(例えば、副業・兼業の上限時間を設けるなど)
(5)割増賃金の支払いがしやすくなる方法を設けること
(例えば、予見可能な部分について割増賃金を支払うなど)
どうしても労働者の自己申告制による労働時間の把握に頼りがちで、
それでは自己申告をしない場合への対応というのがどうなるのかが不透明なままです。
企業としては本業への影響があっては困るので、
まだまだ副業・兼業を認めている企業は14%程度と低くなっているのもうなずけます。
これからの動きを注目していく必要がある副業・兼業の検討会ですが、
個人的には人手不足の解消策として認めていくしかないのではないかと
思っています。
クノネコ社長は、副業・兼業を認めるのでしょうか。お楽しみに。