【にゃるほどクノネコ社長】第34回「年次有給休暇の計画取得」

このコラムについて

日々の経営の中で出てくる人事・労務問題をクノネコ社長目線で描く4コマ漫画。漫画から労働法のあるあるが学べます。もしかしたらあなたの会社にもクノネコ社長がいるかもしれない。

いよいよ始まった働き方改革ですが、
年次有給休暇の強制取得の対策として、計画有給を導入された企業も多いのではないでしょうか。

年次有給休暇の計画的付与は、5日を超える部分について有給休暇を会社が決めた日に付与することが出来る制度です。
5日を超えるというのが難しいですが、
有給の残日数が7の人であれば、7-5=2日の有給を計画的に取得させることが出来るということです。

ここで、注意していただきたいのが、
有給休暇がなかなか取得できないからといって、
会社で勝手に今まで休日だった日を労働日に変更して、
その日を計画的な有給休暇とすることです。

今まで1年間の所定休日が110日だったのを、5日減らして105日にすると、
従業員からすると休日が減っていることとなり、
不利益変更となります。

不利益変更の進め方は2つです。

(1)従業員各個人の合意を得る方法

(2)就業規則による一方的な変更

(1)従業員個人の合意を得る方法が一番いいのですが、全員の合意を得ることは決して簡単ではありません。

(2)就業規則の変更による場合は、以下の点に注意する必要があります。
➀従業員が受ける不利益の程度
➁労働条件の変更の必要性
➂変更後の就業規則の内容の相当性
➃労働組合等との交渉(代替措置など)

以前もお伝えした通り、労働条件を不利益に変更する必要性はかなり厳しいものでないといけません。
有給休暇の強制取得が出来ないだろうから・・・というのが認められるかどうかは分かりませんが、従業員が受ける不利益に対して、何らかの代替措置がとられていたり、きちんと説明を行った上でないと、
裁判になったら勝てないのではないでしょうか。

従業員と合意が取れて、無事変更できたとしても
年間の休日日数を減らすということは求人においては大きなマイナス要因となります。結果人が集まらなくなる可能性があります。
また、既存社員のモチベーション低下につながる可能性もあるので、慎重に行わなくてはいけません。

ただ、年次有給休暇の強制取得を乗り切る方法の一つとして、

「計画的付与」はかなり有効な手段になるかと思いますので、
まずは不利益にならない方法での付与方法・取得方法を検討してみてください。