【世界のミンワから】第19回「小さなおうち」

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

昔、ビンが一つ、馬車から落ちて、野原の真ん中に転がっていました。

そこへネズミがちょろちょろやってきて、ビンを見つけました。
「これはステキなおうちだ、いったい誰が住んでいるのだろうか?」
と思いました。

そこで子ネズミは尋ねました。
「小さなおうち、小さなおうち、いったい誰が住んでいるの?」

けれども返事がありません。子ネズミが覗いてみますと
誰もいませんでしたから
「しめしめ、それじゃここに住んでやろう。」
そう言ってビンの中に住むことにしました。

するとカエルがぴょこぴょこやってきて尋ねました。
「小さなおうち、小さなおうち、いったい誰が住んでいるの?」
「ネズミどんさ。小さなおうちに住んでいるのは。してまたあなたはどなたです?」

「カエルどんさ。」

「それじゃ入っといで。一緒に住もう。」
「すまないねぇ。それじゃ遠慮なく。」

こうしてカエルはビンに入って一緒に住むことになりました。

するとうさぎがピョンピョンやってきて
「小さなおうち、小さなおうち、いったい誰が住んでいるの?」

「カエルどんとネズミどんさ。してまたあなたはどなたです?」

「ウサギどんさ。私も入っていいかしら?」

「いいともおいでよ。場所がどっさりあるからね。」

そこへキツネが通りかかって尋ねました。
「小さなおうち、小さなおうち、いったい誰が住んでいるの?」
「ウサギどんとカエルどんとネズミどんさ。してまたあなたはどなたです?」

「私はキツネどんさ。」

「そりゃけっこう。入っておいで一緒に住もう。」

「ありがとうさん。」