【世界のミンワから】第17回「ネコと仲間たち」

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

ある日のこと。
一人の男が五匹のネコを見つけて家に連れて帰ったんだけど、一匹逃げられちゃってね。
捕まえられなかったんだ。

逃げたネコはしばらく走って、一羽のオンドリに会ったんだ。
「一緒に来ないか?」ってネコが言うと
「いいとも」ってオンドリが答えた。そして仲良く旅を続けたのさ。

しばらく行くと犬に会ったから
「一緒に来ないか?」って言うと
「いいとも」って答えた。

もっと行くと、道端にヒツジがいた。
「一緒に来ないか?」って誘うとヒツジも承知した。

それからヤギが一匹とロバが一匹仲間になって、みんなで旅を続けたのさ。
ずんずん歩いていくと森について日が暮れた。

「さて」とネコが言った。
「誰が一番早く、あの大木に登れるかな?」
みんなは競争したけど、もちろんネコが勝った。
たちまちてっぺんによじ登ると、あたりを見回して言った。
「あっちの方に明かりが見えるぞ。ちょっと遠いから急いで歩こう。」

六匹の動物たちはまた歩いて、一軒の家をみつけた。
そいつは泥棒の棲家だったのさ。
「それじゃあ、こうしよう」とネコが言った。
「ロバはこの窓の近くに立ってくれ。ヤギはロバの背に乗って、ヒツジはヤギの背に乗って、犬はヒツジの背に乗って、オンドリは犬の背に乗って、みんなでこの窓から飛び込もう。」
そこでまずネコが飛び込んで、そのあとから五匹が飛び込んだから、すごい音がした。

「なんだ、なんだ、どうしたんだ。」
こう言って、一人の泥棒が偵察にやってくると、ネコは暖炉の灰の中に隠れている。オンドリは桶の中、犬はパンの櫃の中、ヒツジは扉の陰、ヤギはベッドの中、ロバは扉の向こうの堆肥の中に隠れていた。
泥棒がやってきて、明かりをつけようと暖炉に近づくと、ネコが鋭い爪でひっかく。
慌てて水を飲もうと桶に手を突っ込むとオンドリがクチバシで突っつく。
扉の後ろのホウキを探しにいくとヒツジが蹴っ飛ばす。
恐くなってベッドにもぐりこむとヤギのツノが腹をつつく。
パン櫃を開けると開けると犬が噛みつく。
やっとこさ、扉の向こうに這い出すと、背中をロバに蹴飛ばされる。

動物たちはそうしておいて、家の外に出た。