【世界のミンワから】第15回「四人の子供」

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

昔、あるところに四人の子供をもったお母さんがいました。
子供たちはみんな言うことを聞かなくてケンカばかりしていました。
一番下の息子のピカフロルだけはお母さん思いのいい子でした。

ある日、お母さんは子供たちを呼んで言いました。
「おまえたち。お母さんはすっかり年をとってしまった。」
お前たちももう大きくなったのだから、めいめいで仕事を探してごらん。
そうしたらお母さんも安心して死ねるよ。」

すると一番上のコルコルが言いました。
「僕は山の奥の森へ行くよ。そして昼間は眠って夜になったら食べ物を探すさ。」

「私はお墓のそばに住むわ。あそこはとても静かだもの。おなかがすいたら、食べるものを探せばいいわ。」
と二番目のレチューサは言いました。

「私はステキな糸を織るのよ。はたを置くところは少しくらい涼しい場所にするわ。」
と三番目のアラーニャが叫びました。

「ピカフロルや、お前はどうするんだね?」
と、お母さんは四番目の息子に聞きました。

「僕はお母さんのそばにいます。お母さんのお世話をして、お母さんのために働きます。」
とピカフロルは言いました。

いく月か経ったある日、お母さんは重い病気にかかりました。
死ぬときが近づいてきたのを知ったお母さんはピカフロルに兄さんや姉さんを探しにやりました。

ピカフロルは森の奥に住むお兄さんを見つけて言いました。
「お母さんの病気が悪いのです。兄さん帰ってあげてください。」
けれどもコルコルは大きなあくびをして答えました。
「昼間っから外に出かけるなんてごめんだ。帰ってくれ。俺は眠くってたまらないんだよ。」

ピカフロルはお墓のそばに住むレチューサのところへ行きました。
「ああ、これから髪の手入れをするところよ。それにこんな悪いお天気に外なんか行きたくないわ。」
レチューサはこういって断りました。
ピカフロルが三番目のアラーニャを訪ねるとアラーニャは忙しそうにはたを動かしていました。
「お母さんに言ってよ。私今日ははたを織り始めたところなのよ。だからよそへなんかいけませんて。」
ピカフロルは家へ帰ってお母さんにみんなが来れないわけを話しました。

病気のお母さんは子供たちの冷たい心をたいそう悲しみました。
やがて死ぬ時が来るとお母さんは子供たちのこれから先のことについてこう言いました。

「私は四人の子供たちはそれぞれ神様の罰やお恵みを受けるだろうよ。」
コルコルは深い森の暗闇に人々に隠れて暮らすだろうよ。
レチューサは醜くなり人々から恐ろしがられて暮らすだろう。
レチューサが口を聞けば人々は震え上がるだろう。
アラーニャははたを織って暮らすだろう。
だが、アラーニャの糸は誰にも喜ばれないだろう。
そしてピカフロルはどこへ行っても喜ばれ、誰もが見とれるほど美しくなるだろう。

お母さんが死ぬと神様は四人の子供たちを鳥や虫に変えてしまいました。