【世界のミンワから】第7回【お月様狩り】

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

 

ある晩のことです。
アイスランドの人々が、南の方の山の頂を見ると、そのすぐ上にお月様がかかっていました。
あの山の上まで行けば、誰でもわけなく、お月様を捕まえて村まで持ってこれるそうです。

もし長い冬の間中、お月様をそばに置いておくことができたなら、さぞかしきれいで素敵でしょう。
それにそうなればランプに入れる油がなくてもいいわけです。
あんなに輝いているお月様ならば、きっと自分たちのためにも明るく照らしてくれるでしょう。

そこで村の人たちは、みんなで山に登って行ってお月様を捕まえてこようと相談しました。

ところが、みんなが山の上まで行ってみると
なんと、お月様はもう山の上にはいないのです。

高い空を走って行って、ずっと南の方へ行ってしまっているではありませんか!

どんなに腕の長いものでも、そこまではとても届きそうにありません。

けれどもみんなはお月様を捕まえずに村へ帰るなんて恥ずかしいことだと思いました。

それで、なんとかお月様を捕まえようと大急ぎで、今度はもっと高い山に向かいました。
みんなが、山の頂から降りてくると、それにつれてお月様も南の山の真ん中あたりまで降りてきました。

この様子だと今度はうまくいきそうです。
みんなは大喜びで、向こうの山めがけて、力の限り走っていきました。

ところが、その山の頂までいってみると、どうでしょう。
お月様は、またまた、向こうへ行ってしまっているではありませんか!