【世界のミンワから】第2回【2匹のよくばり子熊】

このコラムについて

世界は物語であふれています。面白い話もあればつまらない話もあり、学びがある話もあれば、全く何のためにもならない話もあります。
そんな世界各地に伝わるミンワを紹介していきます。きっと何かが感じられるはずです。

ガラスの山の向こうに、絹の野原の向こうに、誰も入ったことのない、誰も見たことのない深い深い森がありました。

その深い、深い森のはずれに熊の親子が住んでいました。
二匹の子熊とお母さん熊です。

子熊たちは大きくなると世の中へ出て、しあわせをつかもうと思いました。
子供たちの願いをお母さん熊は許してくれました。

「いいとも行っておいで。でもどんなことがあってもけんかをしてはいけないよ。」
「大丈夫。お母さん、僕たちけんかなんてするものですか。」

二匹の子熊は元気よく旅に出かけました。

深い深い森のふちをとことこ歩いていきました。
朝から晩まで歩きました。
次の日も朝から晩まで歩きました。
そうやって旅を続けるうちに、とうとうお母さんからもらってきた食べ物が残らずなくなってしまいました。
二匹の熊は、トボトボと重い足を引きずっていました。

「ああ、兄さん。僕もう歩けないよう。朝から何にも食べてないんだもの。」
と弟熊が泣き出しました。

「僕だって同じさ。腹が減って死にそうさ。」

兄さん熊もため息をつきました。
それでも2匹はのろのろと歩き続けました。
すると道の真ん中に赤い大きな丸いものが落ちています。

「なんだろう、あれは?」

子熊たちは急いでそばへ行ってみました。
まぁどうでしょう。大きなチーズではありませんか。

2匹は大喜びで早速チーズを分けようとしました。
ところが困ったことに、兄さん熊も弟熊も自分が分けなければ、
もらう分が少なくなって損をする、と思ったのです。

「僕が分けてやる」
「いやだ僕が分ける!」

チーズをそばに置いて二匹はつかみ合いをやりそうな勢いで口ゲンカを始めました。
そのとき、ひょっこりキツネがやってきました。

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