【ミンワ経営のすすめ】第20回「スターバックス 再生物語」

このコラムについて

「物語の力を学び、経営に活かす」
創業時の物語、危機的状況を乗り越えた逆境の物語、商品やサービスが誕生したときのはじまりの物語、大切な社員たちとの出会いの物語。それらを学ぶことは業績アップの第一歩です。なぜなら、経営とは物語の集まりなのです。

今、「スターバックス再生物語 つながりを育む経営」を読んでいます。

シアトルのわずか6店舗のコーヒーチェーンからスターバックスを立ち上げたハワード・シュルツが、2008年に最高経営責任者(CEO)に復帰して組織再建を果たすまでの物語です。

ハワード・シュルツが経営で大事にしているものの一つに、会社のミッション(使命)を明確に示した「ミッション・ステートメント」(=スターバックスの存在意義)があります。会社にとって「お金を稼ぐ」ことは大切ですが、目的ではありません。会社にとって最も大切なことは、何のために企業が存在するかです。会社とは、その存在意義を決めてそれを追求していくものなのです。

今日はスターバックス再生の物語。
スターバックスを再生させたシュルツが、全従業員に訴えた「ミッション・ステートメント」(=スターバックスの存在意義)とは何だったのでしょうか?

 

2006年、スターバックスの業績は悪化し始めました。当時、創業者のシュルツがCEOを退任し、二人のCEOを経て、スターバックスでは「売上成長至上主義」が蔓延していました。スターバックスの良さが急速に失われ、顧客が徐々に離れていた結果がついに数字に表れ始めたのです。顧客単価が減り、2007年夏には来店客数の伸びは、過去にないほど落ち込みました。

そんな中、シュルツは2008年にCEOに復帰します。

当時を振り返りスターバックスの良さが失われた原因としては、次のようなことがあげられています。

・以前は、バリスタは徹底的に教育されて店舗に出ていたのに、店舗急拡大で人材育成が追いつかず、大した教育もせず店舗に出した。

・効率性を求め、店舗デザインへのこだわりを捨てた。

・以前は、コーヒー豆は店舗で挽いていたが、効率化のために工場で挽いて真空パックで店舗に届けた。

とどめが、温めたほうが売上があがると考えたサンドイッチでした。暖めることでチーズが溶けた強い香りが店内にひろがり、コーヒーで最も大切な香りまでもなくしてしまいました。

2007年のコンシューマレポートで行われたコーヒーの味のテストでは、ファーストフードのマクドナルドにも負け、スターバックスは大きな挫折を味わいました。