【にゃるほど!クノネコ社長】第22回「有給取得で賞与減額」

このコラムについて

日々の経営の中で出てくる人事・労務問題をクノネコ社長目線で描く4コマ漫画。漫画から労働法のあるあるが学べます。もしかしたらあなたの会社にもクノネコ社長がいるかもしれない。

毎週火曜日配信の「にゃるほど!クノネコ社長」。前回の「リーグ制覇」から引き続き、今週は「有給取得で賞与減額」をお送りします。





12月に賞与を支給する企業様は多いと思いますが、
有給休暇をたくさん取得した人とそうでない人の評価の差について、賞与で差を設けている企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、この取り扱いは労働基準法違反となる可能性が高いです。

労働基準法第136条には「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければならない」と定められています。
この「不利益な取り扱い」の中に、賞与を減額すること、精皆勤手当を減額・不支給とすること、有給取得を制限するようなことが含まれているのです。

ただ、過去の裁判例を見ると、賞与の評価において有給休暇の取得を欠勤として取り扱い減額することはできないという判決もあるのですが、一方で精皆勤手当の減額に対しては減額を認めているケースもあります。

その根拠は、労働基準法第136条の規定は努力義務を定めたものなので、不利益の程度によっては有給休暇の取得を制限する程でもないということだそうです。(練馬交通事件、沼津交通事件)

過去に差を設けている例もあるので、大丈夫だろう!という感覚は捨ててください。

今後の働き方改革では有給休暇の強制取得が始まるくらい、有給休暇の取得に関しては厳しい目が向けられます。
このような評価をしていることで、法的に罰せられないとしても、
従業員からしたら「この会社はブラック企業だな」と思われる可能性が高くなってしまいます。

今は、一つの口コミや書込みで会社の評価が著しく変化する時代です。
人が集まる会社にするためにも、有給休暇は当たり前に取得出来る環境は必須です。
そして、長時間労働をした人を評価するのではなく、能力や職務レベルで評価する風土に変えていく必要があるのです。

有給休暇を取得すると賞与や手当が減額される制度が入っていらっしゃる企業様は、
是非評価基準を今一度考え直してみてはいかがでしょうか。